Internship 東海

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実験用サーバーの分解 組み立て 環境構築
コース番号:11M

J-PARC 物質生命科学実験施設では加速器で加速された陽子で中性子を生成し、さまざまな実験に利用されている。中性子実験では主に中性子の回折現象を利用した実験が行われており、大面積の2次元中性子検出器が用いられている。
本コースでは、中性子実験を支えているData Acquisition(DAQ)システムについて、サーバーの側面から解説します。検出器からの信号を測定データとして集積しているサーバーについて、分解、組み立てを通してサーバーの構成を知り、RAID構築やOSの導入、専用ツールを用いたサーバーの管理手法など、実験を支えるITインフラ技術について理解を深めることを目的とする。

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ビームラインの秘密、素粒子原子核実験の現場はここだ!
コース番号:11N

J-PARCは"大強度陽子加速器"、「陽子」を加速して取り出しています。これを一次陽子と呼びます。加速された一次陽子はスイッチヤード(約200m)を通って、ハドロン実験室の金属標的に当て、K中間子などの二次粒子を作り実験に使用しています。
お馴染みのパイ中間子はアップクォークとダウンクォークからなりますが、K中間子はストレンジクォーク(Sか反S)を持つ特異な中間子になります。そのK中間子を選別するためには静電セパレータと呼ばれる装置をもちいます。どのように欲しい粒子を選ぶのか紹介します。
そして、毎秒およそ106 個超のK中間子ビームが生成され、電磁石群をもちいて分光器としてのスペクトロメータが形つくられています。そこではどのように未知の粒子の質量を知ることができるか、その秘密を体験します。

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試料環境:ミュオン実験のサンプルの冷やし方
コース番号:11P

素粒子であるミュオンは寿命2.2μsで崩壊しますが、この時スピン磁気モーメントの向きに崩壊陽電子の空間分布が偏るという著しい特徴があります。この特徴を使って物質中のミクロな磁場を調べるのがミュオンスピン回転(μSR)実験です。そして、μSR実験が実施できる日本で唯一の施設が、茨城県東海村のJ-PARCにある物質・生命科学実験施設(MLF)です。
本仕事体験では、MLFのミュオンビームラインで試料環境に関する技術を体験します。試料環境とは、実験試料の温度や印加磁場などを制御するための周辺環境のことです。ミュオンビームラインで用いられる実験技術を体験し、特に試料の冷却試験を行う事で素粒子を用いた物性実験における技術の理解を深めることを目的とします。

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ACアダプタ製作を通して
主電磁石電源を学ぶ
コース番号:11R

J-PARCのようなシンクロトロン加速器では粒子軌道を一定に保ちながら粒子を加速しますが、その粒子軌道は主電磁石と呼ばれる装置によって制御されています。その主電磁石をドライブするための電源が主電磁石電源です。
この体験では、主電磁石/電源の役割解説に加え、その電源動作の理解を目的としたACアダプタ回路の製作実習を通して、AC⇒DC変換の原理を学んでいただきます。

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ビームを加速するー高周波加速空胴の紹介と磁性体コアの測定
コース番号:11S

J-PARC MRシンクロトロン加速器は、陽子に毎回450kVの電圧を与え、加速器内を13万回回すことによりそのエネルギーを3GeVから30GeVに上げます。その電圧発生装置が高周波空胴です。
この高周波空胴にはJ-PARCが初めて加速器に導入したファインメットと呼ばれる金属磁性体コアが使用されています。ファインメットはその後世界各地でいろいろな加速器に使用されるようになりました。
今回の実習ではまず実際の加速器内の見学と簡単な高周波加速及び空胴の原理を説明した後、実際にファインメットコア(直径約1m)の特性をネットワークアナライザーで測定します。実際に加速器運転に用いられている空胴に触れるとてもよい機会です。