高エネルギー加速器研究機構では,超伝導電磁石や超伝導加速空洞などの超伝導機器を冷却するために,液体ヘリウムを使用しています。液体ヘリウムは,絶対零度に近い温度でも高圧をかけない限り固化せず,液体状態を保つことができます。また,2.172 K以下では超流動状態に転移し,異常な熱輸送特性などの量子流体特有の性質を示します。こうした特異な性質を活用することで,液体ヘリウムは極低温冷却用の優れた冷媒として広く利用されています。
さらに,温度を下げることで熱雑音が大幅に減少し,測定感度が向上するという利点もあるため,液体ヘリウムは精密な物理測定の分野でも欠かせない存在となっています。
今回のインターンシップでは,液体ヘリウムを使用する断熱容器(クライオスタット)の構造について学ぶとともに,実際に液体ヘリウムをクライオスタットへトランスファーして冷却実験を行い,その熱伝達特性を理解していただきます。あわせて,液体窒素やヘリウムガスボンベの取り扱い,真空ポンプの操作など,クライオスタットの運用に必要な機器の扱い方についても実習を通じて経験していただきます。さらに,低温測定に用いる温度センサや計測システムについても,手を動かしながら測定手法を習得していただきます。
コースでは以下を実施します。


