1-1:ハドロン加速器の歴史と展望
講師:高山 健 (KEK)
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ハドロン加速器の歴史はコックロフト加速器やバンデグラフ加速器の静電加速器から始まり、 エネルギーが大きくなるに従って高周波を利用した線形や円形の共鳴加速器へと進化した。 ハドロン加速器の基本構成は1953年の強収束原理の発見によって確立した。 それ以降は高真空・超伝導・磁性体・パワー半導体等の基盤技術の進化、ビーム冷却と言った加速器技術上の特有な発明、 加速されるビームの物理的認識の深化に伴って、加速されるビームのエネルギーと強度は、新たな加速器が建設される毎に向上し、 エミッタンスに代表されるビーム特性の改善が進んで来た。 そして現在、ハドロン加速器のフロンテイアとしてLHCの様な衝突型加速器が建設され、最大限のビームパワーを狙った J-PARCやSNSの加速器が存在する。講義ではこれらのハドロン加速器の進化を先ず概観する。 そして、現代ハドロン加速器の原理的・技術的限界が何から決まっているのかを整理する。 特に、単一電荷の粒子集団としての荷電粒子ビームが内包する古典物理上の制約が強調されると共に、 これらの制約を回避しながら大強度を求める応用分野とそこでの加速器のあり得る形態等が簡単に紹介される。
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