高エネルギー加速器セミナー OHO'13
プログラム
今年のテーマ
「X線自由電子レーザー 〜SACLA」
7月23日(火) | 7月24日(水) | 7月25日(木) | 7月26日(金) | |
09:00〜10:00 | 受付・挨拶 |
4-1 線形加速器のビーム光学 系とバンチ圧縮 原 徹 |
7-1 高周波加速管 惠郷 博文 |
10-1 高精度ビーム診断 前坂 比呂和 |
10:15〜11:15 |
1 X線自由電子レーザー 概論 田中 均 |
4-2 線形加速器のビーム光学 系とバンチ圧縮 原 徹 |
7-2 高周波加速管 惠郷 博文 |
10-2 高精度ビーム診断 前坂 比呂和 |
11:30〜12:30 | 2-1 X線自由電子レーザー 理論 田中 隆次 |
5 低エミッタンス熱電子銃 渡川 和晃 |
8-1 大電力高周波源 稲垣 隆宏 |
11 光ビームライン 登野 健介 |
12:30〜14:00 | 昼食休憩 | 昼食休憩 | 昼食休憩 | 昼食休憩 |
14:00〜15:00 |
2-2 X線自由電子レーザー 理論 田中 隆次 |
6-1 高安定・低エミッタンス 電子入射器 安積 隆夫 |
8-2 大電力高周波源 稲垣 隆宏 |
12 アライメント 木村 洋昭 |
15:15〜16:15 |
3 アンジュレータ 田中 隆次 |
6-2 高安定・低エミッタンス 電子入射器 安積 隆夫 |
9-1 高精度低電力高周波システム 大島 隆 |
13 安定化とノイズ対策 大竹 雄次 |
16:30〜17:30 | 施設見学
※見学申込みは午前 中に受付します |
特別講義 XFEL利用 X線自由電子レーザーで 拓く新しい量子光学研究 米田 仁紀 |
9-2 高精度低電力高周波システム 大島 隆 |
講義内容紹介
講師・連絡先 | タイトル | 講義紹介 | |
1 | 田中 均 | X線自由電子レーザー概論 | X線自由電子レーザー(XFEL)とはどんな光でどんな科学を切り開くのか、電子ビームに要求される性能はどのレベルでそれを実現する加速器システムとはどんなものか、高増幅利得を達成するアンジュレータはどこが難しいのか、XFELの性能改善は今後どう進展するか等々、広く浅くXFELを網羅し、引き続く各論の講義と全体の関係を受講者が理解できる最低限の情報提供を目指す。 |
2 | 田中 隆次 | X線自由電子レーザー理論 | X線自由電子レーザーの発振理論、即ちアンジュレータに入射された電子ビームが、X線領域においてレーザーを発振する原理について解説するとともに、発振に必要な電子ビームの条件と、期待されるレーザー光源性能を計算するための手法について説明する。 |
3 | 田中 隆次 | アンジュレータ | X線自由電子レーザーにおいて、高エネルギー電子ビームからX線レーザーを取り出すための装置であるアンジュレータに関して、その一般的な技術やレーザー発振を実現するためのコミッショニング手法について解説する。 |
4 | 原 徹 | 線形加速器のビーム光学系とバンチ圧縮 | X線自由電子レーザーの線形加速器は、6次元位相空間における高密度電子ビームの生成が要求される。本講義では、ビーム光学系の設計に必要なTwissパラメータの線形加速器における取り扱いと定式化、および2次の非線形補正を含むバンチ圧縮の定式化について説明し、最後にSACLAを例に、実機における調整手法等を紹介する。 |
5 | 渡川 和晃 | 低エミッタンス熱電子銃 | X線自由電子レーザーでは、エミッタンスが極めて小さい電子ビームが要求される。SACLAでは、低エミッタンス電子ビームを長時間安定に生成するために、熱電子銃システムを導入した。本講義では、電子銃に関する基礎を解説し、実際にSACLAで使われている熱電子銃について説明する。 |
6 | 安積 隆夫 | 高安定・低エミッタンス電子入射加速器 | SACLAでは、安定した高品質ビーム生成のために機能分離型電子入射器を採用し、低エミッタンスビームのバンチ化をおこなっている。本講義では、電子入射器の役割と基本原理について解説し、SACLA電子入射器の設計思想、および諸性能について紹介する。 |
7 | 惠郷 博文 | 高周波加速管 | 本講義では、SACLAで用いられているユニークな特徴を持つ加速管に焦点を当てながら高周波加速の基礎を理解していく。 高品質電子ビーム加速のため、どのような考え方と技術が用いられて、その加速管が考案されたのか、物理的な概念の把握と解説を行う。 |
8 | 稲垣 隆宏 | 大電力高周波源 | X線自由電子レーザーにて、線型加速器の高周波源であるクライストロン、立体回路、パルス圧縮器、パルス電源などの機器について、動作原理と必要性能について解説する。 |
9 | 大島 隆 | 高精度低電力高周波システム | 低電力高周波を扱う際に使用する位相検出器、振幅検出器などの働きについて説明し、SACLAでの低電力高周波システムの例を中心にシステムの構成、マスターオシレータ、基準信号の伝送系、高周波信号の位相振幅検出器などのモジュールの機能、性能を紹介する。 |
10 | 前坂 比呂和 | 高精度ビーム診断 | SACLAにおけるビーム診断について、電子ビームと検出器との相互作用に始まり、各種検出器の動作原理、設計・製作、性能評価に至るまで解説する。 実例として、RF空胴型ビーム位置モニタ、高速差動CTモニタ、高分解能スクリーンモニタ、RFデフレクタによるバンチの時間構造計測などを取り上げる。 |
11 | 登野 健介 | 光ビームライン | X線自由電子レーザーの光を有効に活用して実験を行うためには、信頼性の高い光ビームラインが必要となる。本講義では、SACLAの光ビームラインの光学系と光診断システムについて解説する。また、XFEL利用研究の舞台となる実験ステーションの紹介も行う。 |
12 | 木村 洋昭 | アライメント | SACLAという大型の加速器のアライメントという事で、設置後の変位に密接に関係する建屋の基礎構造にふれ、その後、計測機器、全体アライメント計画、床面の変位測定、実際のアライメント方法とアライメント結果、最後にモニターシステムについて解説する。 |
13 | 大竹 雄次 | 安定化とノイズ対策 | X線自由電子レーザー“SACLA“では、安定にSASEをアンジュレータラインで増幅するために究極と言ってよい高周波・電源ほかの機器の安定度が必要である。 “安定化とノイズ”の講義では、レーザー強度を変動させる要因と安定性を得るためにどのような工夫を機器に施したかを説明する。その工夫のキーワードは、“絶縁”である。 |
特別 講義 |
米田 仁紀 (電通大) |
XFEL利用 X線自由電子レーザーで拓く新しい量子光学研究 |
XFELにより10^20W/cm^2を超えるこれまでの強度と比べ5~6桁以上のX線強度が達成できるようになってきた。この強いX線場を使えば、新しいX線領域の量子光学が可能となる。ここでは、これまでSACLAを始めXFEL施設で観測された量子光学現象と、その将来について紹介し、議論したい。 |