高エネルギー加速器セミナー OHO'15
プログラム
今年のテーマ
「エネルギー回収型リニアックの加速器基盤技術と応用」
9月1日(火) | 9月2日(水) | 9月3日(木) | 9月4日(金) | |
09:00 - 09:50 | 受付・挨拶 |
5-2 電子銃 山本 将博 |
8-1 RF sources and LLRF system Qiu Feng |
12-1 先端光源加速器の真空技術 谷本 育律 |
09:50 - 10:00 | 休憩 | |||
10:00〜10:50 |
1-1 エネルギー回収型リニアックの概要 中村 典雄 |
6-1 レーザーと先端光源加速器 本田 洋介 |
8-2 RF sources and LLRF system Qiu Feng |
12-2 先端光源加速器の真空技術 谷本 育律 |
10:50 - 11:00 | 休憩 | |||
11:00 - 11:50 | 1-2 エネルギー回収型リニアックの概要 中村 典雄 |
6-2 レーザーと先端光源加速器 本田 洋介 |
9-1 ERLを支えるビームモニター 高井 良太 |
13 ERLから得られる硬X線を用いた先端的利用研究 野澤 俊介 |
11:50 - 13:00 | 昼食休憩 | 昼食休憩 | 昼食休憩 | 昼食休憩 |
13:00 - 13:50 |
2 加速器から発生するテラヘルツ波の利用 阪大 木村 真一氏 |
7-1 超伝導加速空洞 阪井 寛志 |
9-2 ERLを支えるビームモニター 高井 良太 |
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13:50 - 14:00 | 休憩 | |||
14:00 - 14:50 |
3 真空紫外・軟X線の光物性物理学 東大 松田 巌氏 |
7-2 超伝導加速空洞 阪井 寛志 |
10 真空紫外・軟X線分光の特徴と先端的計測の可能性 足立 純一 |
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14:50 - 15:00 | 休憩 | |||
15:00 - 15:50 | 4-1 ERLのビーム力学 宮島 司 |
施設見学 (PF, STF, cERL) |
11 レーザー・コンプトン散乱ガンマ線の利用 JAEA 羽島 良一氏 |
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15:50 - 16:00 | 休憩 | 休憩 | ||
16:00 - 16:50 | 4-2 ERLのビーム力学 宮島 司 |
夜話 EUV利用 東芝S&S 内山 貴之氏 |
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16:50 - 17:00 | 休憩 | 休憩 | ||
17:00 - 17:50 | 5-1 電子銃 山本 将博 |
夜話 C-ERLを線源とする病院設置型微小血管造影装置開発に向けて 東海大学 盛 英三氏 |
講義内容紹介
講師・連絡先 | タイトル | 講義紹介 | |
1 | 中村 典雄 | エネルギー回収型リニアックの概要 | エネルギー回収型リニアック(ERL)について概観する。ERLの原理と基礎およびERLの特徴と性能を解説し、期待されるERLの利用についても触れる。さらに、日本や世界におけるERL施設とERL計画についても紹介する。 |
2 | 阪大 木村 真一氏 | 加速器から発生するテラヘルツ波の利用 | 電波と光の境界領域にあるテラヘルツ波(THz)は,長年「THzギャップ」と呼ばれる大強度の光源が存在しない領域であった。しかしながら,ストレージリングやエネルギー回収型を含む線形加速器を使うことで,極めて強いTHz波が得られはじめている。このような新しい光を有効に利用するための光学系および応用研究の方向性について紹介する。 |
3 | 東大 松田 巌氏 | 真空紫外・軟X線の光物性物理学 | 真空紫外・軟X線放射光は物質の電子状態を直接調べることができるプローブとして現代の物性実験では欠かすことができない。最近ではERL、FEL、高次高調波レーザーなど新たな光源開発が進み、真空紫外・軟X線の利用実験法もそれに合わせて進化してきている。本講義では真空紫外・軟X線の光物性物理学の基礎を解説する共に、これら先端光源による研究も系統的に紹介する。 |
4 | 宮島 司 | ERLのビーム力学 | エネルギー回収型線形加速器 (ERL) は基本的に線形加速器であるが、超伝導加速空洞で加速した電子ビームを再び同じ空洞を通して減速し、後続のビームにエネルギーを受け渡すことが大きな特徴となっている。このことによって、 ERL では高出力(高繰り返し、高平均電流)の高輝度電子ビームの利用が可能となる。本講義では、 ER のなかの一連の流れ、高出力の高輝度電子ビームの生成、 加速、 輸送、 減速、 廃棄に関わるビーム力学について、 試験加速器である compact ERL (cERL) の運転例を交えながら紹介する。 |
5 | 山本 将博 | 電子銃 | ERLにとって、その利用価値、性能を引き出すためには高輝度(大電流かつ低エミッタンス)の電子ビーム源は本質的に重要である。本講義では、電子の発生機構、電子銃の構造と設計、電子銃に求められる高電圧系や真空系について紹介する。 |
6 | 本田 洋介 | レーザーと先端光源加速器 | 先端光源加速器において、レーザーは不可欠な基盤技術となってきている。フォトカソードにおける電子ビームの生成にはじまり、ビームのエネルギー変調やマイクロバンチ構造の生成、さらに、コンプトン散乱による光子発生にも応用される。本講義では、レーザーの基本原理を解説し、光源加速器における応用についても紹介する。 |
7 | 阪井 寛志 | 超伝導加速空洞 | 次世代原子核素粒子実験用大電流加速器や次世代光源の候補であるエネルギー回収型ライナック(ERL)の実現のためにCompact ERL(cERL)が2014年に建設が終わり、ビーム運転を開始した。 本講義ではそのERLに必要な大電流ビーム加速&回収を実現する超伝導空洞の基礎とその開発さらにcERLでのビーム加速の現状と問題点を話すとともに、可能ならば、連続波型(CW)超伝導空洞のさらなる新たな課題や挑戦などについてお話しする。 |
8 | Qiu Feng | RF sources and LLRF system | RF sources are widely used for the beam acceleration. High power rf (HPRF) devices such as klystron will be summarized. Recently, digital low-level rf (LLRF) control becomes popular (especially for the control of superconducting cavities). System configuration and rf performance with this digital LLRF will be also presented. |
9 | 高井 良太 | ERLを支えるビームモニター | 完成した加速器を効率的に調整し、その性能を十分引き出すためには、ビームの位置や大きさ、強度といった様々なパラメータを精密に計測できるビーム診断機器(ビームモニター)が必要不可欠である。本講義では、ERLの基本要素を一通り備えた試験加速器“コンパクトERL”の調整運転に大きく貢献しているビームモニターを取り上げ、その動作原理や設計思想、今後の展開等について具体的な使用例を交えながら解説する。 |
10 | 足立 純一 | 真空紫外・軟X線分光の特徴と先端的計測の可能性 | 真空紫外・軟X線の利用により軽元素K殻・遷移金属L殻についての分光実験を行うことができる。 そのような内殻についての分光実験により、物質中の元素選択的な情報が得られる。 本講義では、真空紫外・軟X線分光実験の特徴について説明する。 そして、パルス性・コヒーレント性を活かし、現状で可能となってきている実験を解説し、今後実現されることが期待されている計測について紹介する。 また、そのような実験を実現するために、解決しておくべき課題を示す。 |
11 | JAEA 羽島 良一氏 | レーザー・コンプトン散乱ガンマ線の利用 | ERL の大電流・低エミッタンス電子ビームは、レーザー・コンプトン散乱によるガンマ線発生に適している。エネルギー可変かつ準単色のレーザー・コンプトン散乱ガンマ線は、原子核共鳴蛍光散乱に代表される光核反応を選択的に起こすことができ、原子核物理から原子力産業まで広い分野で有用な光源となる。これら利用研究の現状と展望を紹介する。 |
12 | 谷本 育律 | 先端光源加速器の真空技術 | 光源加速器の真空システムに対する要求は、ビームの高品質化に伴い厳しくなってきている。本講義では、これまで培われてきた基礎的な真空技術に加え、主にcERLを例に低インピーダンスコンポーネントやNEGコーティングなどの新しい真空技術を紹介する。 |
13 | 野澤 俊介 | ERLから得られる硬X線を用いた先端的利用研究 | ERLから得られる硬X線は高繰り返し・低エミッタンス・短パルス・コヒーレンスという特徴を持つ。これらの光源特性を生かした先端的な研究を紹介すると共に、ERLにおける硬X線を用いた利用研究について考察する。 |
夜話 | 東芝S&S 内山 貴之氏 | EUV利用 | 波長13.5nmのEUV光を用いたリソグラフィ技術は、最先端半導体の微細化・高集積化を加速・推進するための有力な次世代技術として開発が続けられている。現在、量産化に向けた最大の課題は光源パワーが低いことである。そのため、将来技術として高出力化が期待できるFEL光源への期待が高まってきている。ここでは半導体向けEUVリソグラフィの概要と展望について紹介する。 |
夜話 | 東海大学 盛 英三氏 | C-ERLを線源とする病院設置型微小血管造影装置開発に向けて | 20-200μm以下の微小血管系の可視化は微小血管狭心症、ラクナ脳梗塞、糖尿病性微小血管障害など未解明であった病態の診断と治療に新しい時代をひらく。放射光微小血管造影法、既存のX線源を用いた微小血管造影装置開発の歴史とC-ERLを線源とする逆コンプトン散乱X線の可能性について述べる。 |