プログラム
今年のテーマ
「大強度陽子加速器の現状と将来 -さらなる大強度ビームを目指して-」
9月4日(火) | 9月5日(水) | 9月6日(木) | 9月7日(金) | |
09:00 - 09:50 |
受付・挨拶 | 5 誰でもわかる電磁石電源 栗本 佳典 |
9 制御(1) - J-PARC加速器と分散制御システム - 山田 秀衛 |
14 二次粒子生成標的と荷電二次ビームライン 高橋 仁 |
09:50 - 10:00 |
休憩 | |||
10:00 - 10:50 |
1 J-PARC加速器の概要 内藤 富士雄 |
6 誰でも作れる電磁石電源 栗本 佳典 |
10 制御(2) タイミングシステムの概念と実装 田村 文彦 |
15 中性子源用液体金属標的の技術 高田 弘 |
10:50 - 11:00 |
休憩 | |||
11:00 - 11:50 |
2-1 陽子シンクロトロンのビーム力学とシミュレーション(1) 佐藤 洋一 |
7-1 陽子ビームモニタ 久保木 浩功 |
11-1 陽子リニアック 森下 卓俊 |
|
11:50 - 13:00 |
昼食休憩 | |||
13:00 - 13:50 |
2-2 陽子シンクロトロンのビーム力学とシミュレーション(2) 佐藤 洋一 |
7-2 陽子ビームモニタ 久保木 浩功 |
11-2 陽子リニアック 森下 卓俊 |
|
13:50 - 14:00 |
休憩 | |||
14:00 - 14:50 |
3-1 陽子シンクロトロンの高周波加速 吉井 正人 |
8 加速器駆動核変換システム(ADS) 前川 藤夫 |
12-1 イオン源のプラズマ物理とビーム生成 柴田 崇統 |
|
14:50 - 15:00 |
休憩 | |||
15:00 - 15:50 |
3-2 陽子シンクロトロンの高周波加速 吉井 正人 |
施設見学 (LINAC、PF、ERL開発棟等) |
12-2 イオン源のプラズマ物理とビーム生成 柴田 崇統 |
|
15:50 - 16:00 |
休憩 | 休憩 | ||
16:00 - 16:50 |
4-1 パルス電磁石電源 高柳 智弘 |
13 陽子加速器の放射線安全管理 沼尻 正晴 |
||
16:50 - 17:00 |
休憩 | 休憩 | ||
17:00 - 17:50 |
4-2 パルス電磁石電源 高柳 智弘 |
夜話 BNCT -大強度小型粒子加速器が可能にする新しいガン治療- 筑波大学 医学医療系 生命医科学域(陽子線医学利用研究センター) 熊田 博明氏 |
(敬称略)
講義内容紹介
講師・連絡先 | タイトル | 講義紹介 | |
1 | 内藤 富士雄 | J-PARC加速器の概要 | J-PARCは日本最大の大強度陽子加速器を持つ施設である。本講義ではその陽子加速器全体の概要を2010年以降の出来事を軸に説明する。 |
2 | 佐藤 洋一 | 陽子シンクロトロンのビーム力学とシミュレーション(1)(2) | 本講義では、電磁場中の荷電粒子の単粒子運動という意味で、加速器全般に共通して考慮すべき性質をまず議論する。次に円形加速器で必要な周期的境界条件のある系での特徴を見る。大強度陽子シンクロトロンを議論するには更に多粒子としての振る舞いを考慮する必要がある。多粒子運動としての特性はビーム不安定性との関連などもあるが、ここでは荷電粒子間の空間電荷力の影響を中心に議論する。本講義後半では、空間電荷効果を考慮したビームシミュレーションであるPIC(Particle in cell)手法を紹介しながら、J-PARC MRでのビーム大強度化への取り組みを通して、ビーム運動への理解を深める。 |
3 | 吉井 正人 | 陽子シンクロトロンの高周波加速 | J-PARC陽子シンクロトロンは3GeV RCSとMRの2つのシンクロトロンを有し、施設として1.5MWのビームを物質生命科学および原子核・素粒子実験に供給する。陽子シンクロトロンのビーム加速に関わる縦方向運動力学の基礎をJ-PARCの2つのシンクロトロンでの実例をもとに解説する。 |
4 | 高柳 智弘 | パルス電磁石電源 | 加速器では、加速粒子の軌道をコントロールするために電磁石を使用する。本講義では、粒子ビームの入射と取り出し用として、J-PARCのシンクロトロン加速器で現在使用しているパルス電磁石と電源の設計手法と技術的特徴、及び、将来計画として開発を進めている次世代半導体を用いたパルス電源について紹介する。 |
5 | 栗本 佳典 | 誰でもわかる電磁石電源 | 本講義では、高校卒業程度の知識があれば、電源回路を理解できるように、電気回路からスイッチング電源およびその制御までを解説する。簡易的な説明を目指す一方で、本講義により受講者が電源回路を設計できるように、概論にはしない。したがって、受講者の対象は、電源回路を勉強したい方、電源回路を始めたばかりの方、電源担当になったが、実は中身をよくわかっていない方、などほとんど誰でもよい。 |
6 | 栗本 佳典 | 誰でも作れる電磁石電源 | |
7 | 久保木 浩功 | 陽子ビームモニタ | 加速器内のビームを見る「目」となるモニターについて、ビームが作る電磁場を利用する原理と、シンクロトロンのモニターでは不可欠な要素である周波数特性について紹介した後に、J-PARCで実際に使用されている多岐に渡るモニターについて時間の許す限り紹介する。 |
8 | 前川 藤夫 | 加速器駆動核変換システム(ADS) | 加速器駆動核変換システム(Accelerator Driven nuclear transmutation System, ADS)は、大強度加速器と未臨界の原子炉を組み合わせることにより、原子力発電所の運転に伴い発生する高レベル放射性廃棄物を減容化し、有害度を低減する技術である。本講では、ADSによる核変換の仕組みと効果、J-PARCにおける研究開発の現状等について紹介する。 |
9 | 山田 秀衛 | 制御(1) - J-PARC加速器と分散制御システム - | 本講義では、加速器制御システムの考え方を解説する。J-PARC加速器における加速器制御システムの当初の設計思想と、加速器の運転を開始してから10年間での変遷を紹介する。 |
10 | 田村 文彦 | 制御(2) タイミングシステムの概念と実装 | 本講義では、J-PARC のタイミングシステムがどのような考えのもとでどのように設計されたか、 そしてどのように動作しているのかについて説明する。 |
11 | 森下 卓俊 | 陽子リニアック | リニアックはLinear Acceleratorの略で、線形加速器の名の通り、ビームを加速、輸送する装置を直線状に並べた加速器を示す。大強度陽子加速器において陽子リニアックはその最上流に位置し、後段の円形加速器や二次粒子を生成させるための標的にビームを供給することがその役割である。本講義では、陽子リニアックでビーム加速に用いられる高周波空洞の概要と、J-PARCリニアックで行われた空洞の設計、および製作に関して技術的な内容も交えて紹介する。 |
12 | 柴田 崇統 | イオン源のプラズマ物理とビーム生成 | J-PARCの加速器に供給されるビーム粒子は、イオン源と呼ばれる粒子源にて生成される。
イオン源では、ガスを充填した容器内に電磁場を形成することでプラズマを生成し、そこから静電場により目的の粒子を効率よく取り出すことで、大強度のビーム供給を可能としている。 講義では、イオン源内部のプラズマに関する物理と、加速器へのビーム供給の仕組みのほか、J-PARC大強度イオン源の現状について紹介する。 |
13 | 沼尻 正晴 | 陽子加速器の放射線安全管理 | 高エネルギー加速器施設では、高エネルギー放射線に対する遮蔽や、それにより生成される放射化物に対する安全対策など検討すべき課題は多様である。大強度陽子加速器施設(J-PARC)のようにエネルギーがGeVを超え、1MW出力の加速器については、従来の加速器施設以上に様々な核種で高強度の放射化物が発生する。ここでは、J-PARCなどの大型加速器施設における放射化と、それに対する放射線安全管理について紹介する。 |
14 | 高橋 仁 | 二次粒子生成標的と荷電二次ビームライン | J-PARCでは、加速された一次陽子ビームを生成標的に当て、そこで発生する二次粒子を集めて二次ビームとして実験エリアまで輸送しユーザーへと供給している。本講では、このような二次ビームラインの中でも特に荷電粒子を用いる二次ビームラインの特徴やその設計について解説すると共に、二次ビームの線源である生成標的について、J-PARCにおける現状と将来へ向けた取り組みを紹介する。 |
15 | 高田 弘 | 中性子源用液体金属標的の技術 | 中性子をプローブとした物質・材料研究の発展のため、陽子加速器の工学的応用装置である中性子源の高強度化開発が行われてきた。そこでは、陽子を入射する中性子生成標的に液体金属が使用されている。本件では、中性子源における液体金属標的の物理と技術について講義を行う。 |
夜話 | 筑波大学 医学医療系 生命医科学域(陽子線医学利用研究センター) 熊田 博明氏 |
BNCT -大強度小型粒子加速器が可能にする新しいガン治療- |