September 10 - 13, 2019

プログラム

今年のテーマ
「SuperKEKB - ルミノシティフロンティアを切り拓く電子陽電子コライダー」

  9月10日(火) 9月11日(水) 9月12日(木) 9月13日(金)
09:00 -
09:50
受付・挨拶 5-1
RF電子銃及びレーザー光源
周 翔宇
8-1
SuperKEKBのマシンパラメータとIR Opticsの設計
森田 昭夫
13-1
RFシステム
西脇 みちる
09:50 -
10:00
休憩
10:00 -
10:50
1
SuperKEKBの概要
末次 祐介
5-2
RF電子銃及びレーザー光源
周 翔宇
8-2
SuperKEKBのマシンパラメータとIR Opticsの設計
森田 昭夫
13-2
RFシステム
小林 鉄也
10:50 -
11:00
休憩
11:00 -
11:50
2-1
ビームダイナミックスの基礎(単粒子力学)
杉本 寛
6
陽電子源
榎本 嘉範
9
ビーム衝突点超伝導電磁石
有本 靖
14
ビーム・ビームキックによる衝突点軌道フィードバックシステム
福間 均
11:50 -
13:00
昼食休憩  
13:00 -
13:50
2-2
ビームダイナミックスの基礎(単粒子力学)
杉本 寛
7-1
SuperKEKBへのビーム輸送とダンピングリング
飯田 直子
10
メインリング常伝導電磁石
植木 竜一
13:50 -
14:00
休憩
14:00 -
14:50
3-1
入射器の概略・全体
夏井 拓也
7-2
SuperKEKBへのビーム輸送とダンピングリング
飯田 直子
11
電磁石電源
大木 俊征
14:50 -
15:00
休憩
15:00 -
15:50
3-2
入射器の概略・全体
夏井 拓也
施設見学
(Linac、DR、MR)
12-1
真空システム
石橋 拓弥
15:50 -
16:00
休憩 休憩
16:00 -
16:50
4
パルスマグネット
榎本 嘉範
12-2
真空システム
石橋 拓弥
16:50 -
17:00
  休憩
17:00 -
17:50
夜話
Belle II実験が目指す物理
石川 明正

(敬称略)

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講義内容紹介

  講師・連絡先 タイトル 講義紹介
1 末次 祐介 SuperKEKBの概要 SuperKEKB加速器は前人未踏の高い衝突性能(ルミノシティー)を目指す電子・陽電子衝突型加速器である。
本講義では、SuperKEKB加速器の全体構成、特徴、運転状況等を、後に続く各講義のイントロダクションとして概説する。
2 杉本 寛 ビームダイナミックスの基礎(単粒子力学)(1)(2) 単粒子力学とは電磁石や加速空洞などが発生する電磁場中の単一粒子の力学であり、その定式化は ビームの複雑な運動を理解する上で基盤となる。
本講では単粒子力学の基礎を解説する。
3 夏井 拓也 入射器の概略・全体(1)(2) KEKの電子陽電子入射器はSuperKEKB HER, LERのみならず放射光施設のPF, PF-ARリングへの入射も同時にこなす非常な複雑な電子線形加速器施設である.
SuperKEKBで求められるビームの質を担保しながら各リングでエネルギーも電荷量も異なるビームを50ppsで打ち分ける仕組みを各装置の基本的な原理から全体のシステム構成を通して説明していきたいと思う.
4 榎本 嘉範 パルスマグネット KEK電子用電子入射器はSuperKEKB HER/LER, PF, PF-ARの4リングにビームを供給している。
PF, PF-ARの要求を満たしつつ、SuperKEKBリングへ適切なタイミングで低エミッタンスビームを入射するために約100台のパルスマグネットが導入された。このシステムの詳細について解説する。
5 周 翔宇 RF電子銃及びレーザー光源(1)(2) SuperKEKBに対応して電子陽電子入射器は高電荷・低エミッタンスの電子源として、RF 電子銃を導入した。
性能向上のため、電界収束力の強い S バンド RF 電子銃及びレーザー光源の開発を行っている。講義では、電子銃・カソード・レーザーシステムについて説明する。
6 榎本 嘉範 陽電子源 SuperKEKBではリング中での陽電子ビームの電流増強および蓄積時間の減少により、KEKBに比べて約50倍の陽電子を入射する必要がある。
これを実現するために新たに導入された陽電子源について解説する。
7 飯田 直子 SuperKEKBへのビーム輸送とダンピングリング(1)(2) SuperKEKBへの入射ビームは高電荷、低エミッタンスであることが要求されるため、ビーム輸送、入射については慎重な設計が必要とされる。
陽電子ダンピングリングとその入出射も含め、設計と実際の運転について解説する。
8 森田 昭夫 SuperKEKBのマシンパラメータとIR Opticsの設計(1)(2) SuperKEKBの設計におけるマシンパラメータの変遷と衝突点光学系の詳細設計における加速器モデリングを概説する
9 有本 靖 ビーム衝突点超伝導電磁石 ビーム衝突点超伝導電磁石システムは、SuperKEKB衝突点の最も近くに設置されるビーム最終集束用超伝導電磁石で,衝突点でのビームサイズを鉛直方向に50 nm, 水平方向に10 μmまで絞り込む.
これは8台の超伝導4極電磁石と43台の超伝導補正/キャンセル電磁石, 4台の超伝導ソレノイドから構成される複雑な電磁石システムである.
特に4極電磁石は空間的な制限から高い磁場勾配が要求され, 最も衝突点に近い4極電磁石は長さ 330mm で69 T/mの磁場勾配を発生する.
また高い磁場性能も必要とされ, 誤差磁場は10^{-4}程度に抑制されている.
講義ではこの超伝導電磁石システムについて紹介する.
10 植木 竜一 メインリング常伝導電磁石 1周3kmのメインリングには、2000台を超える常伝導電磁石が配置されており、ビームオペレーションを行ううえで重要な役割を果たしている。
より高いルミノシティを目指すSuperKEKB加速器の要求を満たすため、SuperKEKB電磁石システムはKEKB時のシステムから様々なアップグレードが行われている。
本講義では、これらを中心にメインリング電磁石システムについて紹介する。
11 大木 俊征 電磁石電源 SuperKEKB加速器主リングを構成する常伝導電磁石は、IGBTスイッチング大型電源(0.4-0.95MW、11台)、サイリスタ整流トランジスタ・シリーズ・ドロッパ大型電源(0.1-0.5MW、18台)、IGBTスイッチング中型電源(2-104 kW、427台)、MOS-FETスイッチング両極性小型電源(0.3-2.4kW、およそ1,800台)からなる各電磁石電源で励磁される。
衝突点最終収束系超伝導電磁石は、IGBTスイッチング主四極電源(2 kA-15V、8台)、IGBTスイッチング補正ソレノイド電源3台(455 A-45 V, 410 A- 30 V, 155 A - 15V)、MOS-FETスイッチング両極性補正電源(±70 A-±10V、43台)で励磁される。
これら電磁石電源の内、常伝導主偏向電磁石電源と超伝導主四極電磁石電源には2ppm/8時間といった特に安定度の高い磁場が要求されるため、新たに開発した24ビット高分解能デジタル帰還電流制御方式を採用している。
SuperKEKB加速器では、より高いルミノシティを目指すべく、これまでにない細いビーム同士の衝突を実現し、それを如何に安定に維持するかが課題であるため、各電磁石電源を適切に維持管理し、必要があれば改修を行い、安定に稼働させる必要がある。
本講義では、これら電磁石電源の概要、開発、維持管理について紹介する。
12 石橋 拓弥 真空システム(1)(2) 本講では、SuperKEKB加速器で要求される圧力を実現するための真空システムに ついて解説する。
また、超高真空システムを構築する上で必要な真空工学の基礎についても解説する。
13-1 西脇 みちる RFシステム(1) RF(=高周波)システムとはRF加速装置のことであり、ビーム加速には必要不可欠な存在であるが、 ビーム電流が大きいと、それ自身がビームとの相互作用で不安定性を引き起こしてしまう。
本講義ではSuperKEKB(電子陽電子蓄積リング)での問題を例にして、RFシステム(加速空洞)に起因するビーム不安定性について紹介する。
まず前半でRF加速システムとはどんなものなのか基本的なことを理解してもらい、後半でRFシステムによるビーム不安定性と、その対処方法について説明する。
13-2 小林 鉄也 RFシステム(2)
14 福間 均 ビーム・ビームキックによる衝突点軌道フィードバックシステム SuperKEKBの衝突点垂直方向ビーム幅(r.m.s.)の設計値は約50ナノメータと小さく、四極電磁石の振動等の外乱によってビーム位置がずれるとルミノシティが著しく減少することが予想される。
SuperKEKBでは、このルミノシティロスを防ぐため、衝突点での電子ー陽電子ビーム間距離がずれたときに生じるビーム間電磁力によるビームへのキックを検知して衝突を維持するフィードバックシステムを開発している。
講義では、このフィードバックシステムについて紹介する。
夜話 石川 明正 Belle II実験が目指す物理  

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